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『社会教育主事講習』レポート2024 in九州大学


九州大学 令和6年度社会教育主事講習について

 夏も終盤ですが、夏と言えば、社会教育主事講習!(ですよね!?)
各地で実施された今年の社会教育主事講習も一部の講習を除き、ほぼ終了となりました。今夏参加された受講生の皆さん、お疲れ様でした。そして、まもなく社会教育士の称号を取得されるでしょうこと、おめでとうございます! また、過去に受講された方々にとっては、当時の濃密な思い出に浸ることのできるノスタルジックな季節ではないでしょうか。

 さて、筆者はこの夏の出張で、九州大学の社会教育主事講習を担当されている岡幸江教授や事務局の方々との情報交換とともに、講習を見学させていただきましたので、その様子をほんの一部ではありますが、レポートさせていただきます。

まず、九州大学の令和6年度講習の簡単な概要です。
  ・開催日時:令和6年7月20日(土)~8月11日(日)
  ・実施方法:対面による授業
(※一部科目指定講習(生涯学習支援論、社会教育経営論の2科目受講)については、原則対面を奨励しているが、業務等の都合がある場合はオンライン受講可)
  ・場所:九州大学 伊都キャンパス(福岡市西区元岡744)

詳細は下記リンクをご覧ください↓↓↓


 九州大学は言わずと知れた、日本でも屈指の大学です。また、2005年からは新キャンパス(伊都キャンパス)への移転が開始され、2018年までに旧箱崎キャンパスから移転が完了しています。そんなピッカピカの新しいキャンパスで、社会教育主事講習を受講することができるのです。キャンパスまでの道のりは、中心地である博多や天神からやや離れていますが、周りの景色は牧歌的で空気も良く、まるで海外の大学のキャンパスに来たような広大で開放的な空間です。
(キャンパス自体の写真がなくてすみません。大学のHPでご覧ください。)


実際に主事講習を見学!

 下記の写真は、講習会場となっていた日本ジョナサン・KS・チョイ文化館。こちらの中山ホールで約90名程度の受講生達が受講されていました。皆さん、各自パソコンを持ち込み、真剣な面持ちです。

 伺った8月10日(土)の午前中は、「生涯学習支援論」のコマで、1限目は古賀桃子先生(特定非営利活動法人ふくおかNPOセンター代表)の「市民社会への協働とNPO」。2限目は山田俊之先生(九州大谷短期大学教授)の「身体による共鳴と創造」が実施されていました。

 1限目の古賀桃子先生の講義は、出張用務の都合で講義の様子を短時間しか見学できませんでしたが、古賀先生は、文部科学省の中央教育審議会生涯学習分科会の委員でもあり、6月に文部科学大臣から諮問された「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策について」の審議を行う「社会教育の在り方に関する特別部会」の委員も務められています。

 古賀先生は、学生時代からNPOに参画され、福岡で中間支援組織を設立、様々な機関や組織、施設等の連携・協働に携わってこられており、現在は北九州市立大学大学院マネジメント研究科(ビジネススクール)でも教鞭を執られています。ご自身の長年の実践知と大学教育における理論知を踏まえた講義が行われたことと思われます。
 当日筆者は、上司の文部科学省総合教育政策局地域学習推進課課長の高木とともに九州大学にお邪魔しましたが、古賀先生の講義の最後に少しお時間をいただき、高木から現在の生涯学習政策を取り巻く最近の動向や社会教育人材の活躍促進について、受講生の皆さんに情報提供をさせていただきました。(貴重なお時間をいただきました古賀先生、誠にありがとうございました!)


 続いて2限目は、「ボディパーカッション教育」の考案者でもあり、九州大谷短期大学教授の山田俊之先生の講義でした。「ボディパーカッション教育」・・・耳にすることはありますが、皆さんはご存知でしょうか?(恥ずかしながら、筆者は今回山田先生の講義を拝聴し、初めて知りました。)

 ボディパーカッション教育とは、1986年、当時小学校教員であった山田先生が、クラスのとある児童の存在をきっかけに、取り組まれてきたリズム活動「やまちゃんの楽しいリズムスクール」から誕生したものです。楽器がなくても、音符が読めなくても、歌が上手に歌えなくても、使うのは身体1つ、誰もが気軽に楽しむことができることが魅力の音楽教育活動です。山田先生は、「人間の体全体を楽器として音楽を創り上げること」をテーマにボディパーカッション教育活動をされており、その活動範囲は、インクルーシブ教育や、福祉・医療分野など多岐に渡ります。また、海外における教育支援活動等(カンボジア教育省との共同プロジェクト、オックスフォード大学等での発表など)でも御活躍されています。
(ボディパーカッション教育や山田先生の活動についての詳細は、リンクをご覧ください)

 当日の講義では、ボディパーカッション教育の誕生秘話、これまでの山田先生の活動や取組、そして、実際に受講生も身体を使ってボディパーカッションをやってみるという内容でした。課長の高木と筆者は講義室の片隅で講義を拝聴しておりましたが、受講生の方々にお声がけいただき、一緒に参加させていただきました。身体全身を使い、声を出し、ときには笑いが漏れ、とても楽しく体験させていただきました。(グループに混ぜていただいた受講生の皆さん、ありがとうございます!)。

(写真は講義の様子です。もっと全身をダイナミックに使っての体験でしたが、課長も筆者も体験に加わってしまったため、動きの最も多い肝心の部分は写真を撮れておらず、すみません)

 講義の後半部分は打ち合わせに入ってしまったため、全ての見学はできませんでしたが、講義終了後の受講生の方々から、「楽しかったです!」、「山田先生の動画で見せていただいた、海外の子ども達の反応や様子がすごく印象的でした」といった声を聞かせていただきました。皆さん、とても清々しいお顔をされていました。(山田先生、貴重なご講義と体験、誠にありがとうございました!)

最後に~主事講習を見学して~

 講義見学は、ほんのわずかな時間ではありましたが、受講生の皆さんの熱気を直に感じることができました。また、講義合間の休憩時には、時間の許す限り受講生の皆さんと名刺交換をさせていただき、お一人お一人の、受講のきっかけ、心意気、今後の展望、活動におけるお悩み、国への要望・ご意見などなど、様々なお声も聞かせていただき、大変有意義な機会をいただきました。

 社会教育士としての称号を得られる受講生皆さんの、今後の御活躍を心からお祈り申し上げます。これからの社会教育を支えるメンバーの一員として、是非ご一緒に、この国やそれぞれの地域をより良いものにしていきましょう。また、社会教育主事講習を受講して良かった、と思ってくださった皆さんは、是非ともご自身の周りの方々にも受講をお勧めいただくと筆者も大変嬉しく思います。

 最後になりましたが、今回の出張全般について、様々アレンジいただくとともに、有益な情報交換をさせていただいた岡幸江教授及び事務局学務企画課の蔵本武史課長補佐に、心から感謝申し上げます。


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