見出し画像

季節に合わせて地域の人と人を「つなぐ」【地域食堂×社会教育士】

令和2年度から開始している「社会教育士」制度。社会教育士(社会教育主事)として活躍する方の活動、そして「社会教育」への想いの”記録”を新コーナー「わたしの社会教育士ノートsince2024」でフォロワーの皆さんと共有します!
※本記事の内容はあくまでご本人の報告に基づくものとなっています。

【わたしの社会教育士ノートsince2024 No.2】

季節に合わせて地域の人と人を「つなぐ」【地域食堂×社会教育士】

福屋 聖恵さん(ふくふく家族の会会長)

【経歴】
北海道教育大学旭川校卒業後、HBC(北海道放送株式会社)旭川放送局に勤務。退社後は、フリーMCとしてイベントやケーブルテレビの番組で活動。平成22年からは地元の塾教室の講師として幼児から中学生までの学習指導に従事。平成28年からはローカルヒーロー「家族洗隊福レンジャー」としてイベント出演、令和2年からはボランティア団体「ふくふく家族の会」として地域食堂(子ども食堂)を開催するなど、幅広いフィールドで活動中!

★本記事では、特に「ふくふく家族の会」における地域食堂の取組を共有します。


コロナ禍で生まれた新たな活動

ーローカルヒーロー活動の休止、その「時間」と「熱」が向いた先ー

そもそもの地域食堂のきっかけは、平成28年から行ってきたローカルヒーロー「家族洗隊福レンジャー」活動の休止です。コロナ禍以前は、家族や仲間とともに、アクションありのオリジナルストーリーのヒーローショーをイベントなどで披露してきました。

ところが一変。コロナ禍でショーができなくなりました。

イベントでのローカルヒーロー活動

ローカルヒーロー活動にかけてきた「時間」と「熱」をどうするか?

コロナ禍に直面した、そんな「もどかしさ」が子ども食堂をはじめたきっかけの一つでもあります。そして、「ふくふく家族の会」というボランティア団体として活動を始めたことで、地域のつながりづくりが大切と体感しました。

そのために「何か学ぶことができたら」と考えていたタイミングでPTA・学校研修会で社会教育主事講習の受講を勧められたのが、社会教育士の称号を取得したきっかけです。

ー「ふくふく家族の会」始動ー

「ふくふく家族の会」では、地域食堂・子ども食堂、学習支援とごはんの会やハロウィンゴミ拾いなどの季節に合わせた地域をつなぐイベント、畑おこしから収穫、畑じまいまでを子どもと地域の方々と一緒にする「ふくふくファーム活動」を企画・開催しています。(地域食堂は、令和5年度までは「子ども食堂」という名前で運営していました。)

毎月1回、基本的に日曜日、午前から15時頃まで。ごはんとフードパントリー、自由遊び、テーマ遊び、ゲストを呼んで何かしたり、お下がり循環市があったりと、毎月内容が少しずつ違います。

昨年の活動はこんな感じです↓↓↓

5月 カレーライスとお下がり市
6月 カレーリベンジ?と公民館の駐車場にペイント活動
7月 流しそうめんと水遊び
8月 キャンプや「ローソク出せ」のイベント
10月 ハンバーガーパーティー
11月 おでんの会
12月 クリスマスパーティー
1月 手作りピザの会

などなど。

クリスマス会でのビンゴ景品をSNSで募ったところ、
多くの方から100個を超えるあたたかいギフトが寄せられました!
特別な時間を過ごすことができたクリスマス会のキャンドルタイム

調理担当は、ふくふくファミリーの大人とボランティアの高校生、大学生がメインです。たまに子どもたちも手伝います。企画は「次何したい?」と話している中でおもしろい案を取り上げて実現する、そのような感じで決まっていきます。

毎回、スタッフの出欠が決まってから担当割り振りをして、それぞれのお仕事を担当してもらいます。調理配膳などの調理スタッフ、パントリー、自由遊び、運動遊び、受付(私と誰か)、という感じです。

世代を超えたつながり、スタッフが育つ場として

ー幅広い世代のスタッフとともにー

ふくふくファミリーのメンバーとして、現在、大人24人、高校生2人が参加しています。他に地元の大学のボランティアサークルが二人三脚で運営してくれていて、メンバーが毎回2〜10名くらい来てくれます。そのほかに、メンバー以外にも、地元の高校生も5〜10名くらい、先生と一緒に参加してくれます。

毎回の活動のよいところとしては、参加した方の満足度が非常に高いところです。やはり、みんな、つながりを求めているのかな、と。あとは、スタッフの世代も幅広いところですね。スタッフの子は、2歳から、小学生、中学生、高校生、大学生、大人も男女いろいろ20代から65歳くらいまで、色々な人が同じ立場でかかわっています。

ー反省会から生まれる新たな活動ー

毎回、会の終わりに、メンバーとメンバー以外のスタッフで反省会をしています。一人一人感想をシェアし合うのですが、これがまたとてもよいです。この多様性の中で交わされる感想や問いとアンサーが本当におもしろいです。

こういうときはどう動いたらよかっただろうか?

反省会の中で、そんな話が出ることがあります。

それについて、色々な立場の人からの想いや意見をシェアし合えるのがよいところです。そこで大きな課題が見つかった場合は、それについての勉強会を開くなど、すぐ次の機会に、つなげることができているのもよいところです。

「社会教育」だなぁと感じるのはこういうところですね。色々な人がかかわって、尊重し合いながらも出し合って、いろいろな情報や考え方、価値観に触れることのできる場に育っています。食堂やイベントに参加する方にとってもよい場とは思いますが、スタッフとしてかかわることがより醍醐味を満喫できるのではとも思います。

カテゴライズできない「社会教育」

ー学びというアンテナを立てるー

私は、社会で経験すること、学ぶことがすべて社会教育であると考えています。「社会教育」を厳密にカテゴライズする必要はないと。

社会教育の学びを提供する側、受け取る側が決まっていることもありますが、多くはお互い学びのきっかけを与え合い、それぞれが受け取ることができるものだと感じています。大切なのは、これが学びであるというアンテナをその場にいる人が立てることができること。そのために社会教育という言葉はとても役立つのでは、と感じています。

ー社会教育士としての意識ー

普段の活動では、「つなぐ」ことと、「場をつくる」ことを意識しています。

人と人、人と機関や場所をつなぐ。
また、つながりあえる、安心して経験・体験できる場や機会をつくる。
その場の雰囲気をよくする。



これが社会教育士にできること、かつ求められることかと思います。だからこそ、社会教育士として、関係各所とつながって、連携を深めることができる。色々な企画を立ち上げ、つながる機会をつくることができる。また、各企画の際に「社会教育士」がいることで安心感や説得力を与えることができる。そう感じています。

家族洗隊福レンジャーの”素顔”

◆その他の情報コーナー

★社会教育士特設サイト
について、詳しくはコチラをご覧ください。↓↓↓

「社会教育人材の養成及び活躍促進の在り方について(最終まとめ)」(令和6年6月25日)が取りまとめられました↓↓↓