障害の有無に関わらず、だれもが学び続けることのできる社会へ【障害者の生涯学習】
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障害の有無に関わらず、だれもが学び続けることのできる社会へ【障害者の生涯学習】

今回は、障害者の学びに関する話題をお届けしたいと思います。

以前、社会教育士とは、「学び」を社会のいたるところにたくさん仕掛け、豊かな地域づくりへの展開を支援する専門人材であるとご紹介しました。地域の課題は全国様々ですが、”誰もが”学びにアクセスでき、自分を成長させることができる環境をつくれるようコーディネートすることも、社会教育士の重要な役割のひとつです。

「障害者」というと、どうしても福祉によるサポートを受ける人をイメージする人が多いかもしれません。でも、地域の一員として他者と関わり、いつまでも学び続けたいと思うことに、障害の有無は関係ありませんし、障害者のそんな学びのニーズに寄り添い、包摂的な地域社会をつくることも、社会教育の大事な観点の一つです。

公民館は障害のある方々の学びの場になっていない?

今、このnoteを読んでいただいている皆さんは、障害者と関わったことがどれだけあるでしょうか?近年、文部科学省では、共に学び、生きる共生社会の実現を目指し、障害者の生涯学習機会を増やす取組を進めていますが、身近な社会教育施設である公民館においても、障害者の学習活動の支援に関わったことがあるところはまだまだ少ないのが現状です。

グラフ

もちろん、地域における学びの場は公民館だけではありません。多種多様な社会教育士の方々が活躍する場の数だけ、学びのフィールドがあるはずです。しかし、社会教育に携わる多くの方が”障害者と関わったことがない”こともまた事実です。そこで、まずは地域でどのような障害者の学びが展開されているのか、少しでも多くの人に知ってもらいたいと願い、文部科学省が制作したのが、こちらの動画です。

障害当事者にとって学びとは?

この動画では、地域で障害者の生涯学習を実践する事例にスポットを当てて、取組の様子を紹介しています。全体で13分ほどの動画ですが、学びを通じて得たこと、感じたこと、もっと知りたいと思ったこと、障害当事者がそれぞれの想いをたくさん語ってくれました。ぜひ皆さんにも動画を実際にご覧いただきたいと思っていますので、ここではその内容を、少しだけご紹介します。

インタビュー

学びを通じて、自分の中で何かが変わったと語ってくれたのは、水越真哉さん(写真左)。水越さんは、自身の精神障害と向き合いながら、「一般社団法人みんなの大学校」が提供するオンラインの学びの場に参加しています。長く自宅にひきこもる生活を続けていましたが、他者と共に学ぶことで「世の中捨てたもんじゃないな、と感じるようになった」と語ってくれました。

普段は練馬区内の社会福祉法人が運営するカフェで障害者雇用として働く原田奈津紀さん(写真右)は、「NPO法人障がい児・者の学びを保障する会」が運営する学びの拠点に、ほぼ毎日通っているといいます。「いまでは家にいるよりも居心地が良い」と語ってくれた学びの場について、先ほど紹介した動画ではそこで実際に行われているプログラムの様子も紹介しています。

2人の言葉に共通していたのは、「学びを通じて様々な人とつながり、世界が広がった」ということ。これは障害の有無に関わらず、社会教育の場で大事にされている学びの視点です。他者との関わり合いの中で自分を成長させ、さらには周りの人たちともつながり、学び合いながら社会に参加していく。そのような多様な人々が学び合う場が増えれば、きっと地域はもっと豊かになっていくはずです。

文部科学省スペシャルサポート大使・書家の金澤翔子さんからのメッセージ

金澤さん

動画制作にあたり、共生社会の実現に向けた啓発活動を担う文部科学省スペシャルサポート大使で、書家の金澤翔子さんからもメッセージをいただきました。ダウン症当事者である金澤翔子さんは、5歳の時に書道と出会い、現在では書家として国内の名だたる神社仏閣にて奉納揮毫(ほうのうきごう)を開催するほか、海外でも多くの個展を成功させるなど、大活躍されています。ダンスや料理、動画配信など趣味の範囲も幅広く、いまでは、地域の方々に支えられて、目標だった一人暮らしをして生活しているそうです。

共生社会をつくる社会教育士に期待!

動画をご覧いただいた方は、”社会教育”というもののイメージがまた少し変わったのではないでしょうか。すべての人が互いに関係しあいながら、緩やかにつながり、「誰一人として取り残さない」共生社会をつくりあげていくためにも、学びの力はとても重要です。障害の有無に関わらず、誰もが共に学び、生きる社会に向けて、社会教育に大きな役割が期待されていることを、この動画を通じて知っていただけたら嬉しいです。

※文部科学省では、障害者の生涯学習の推進に向けて、「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」の実施をはじめ、関連する施策を総合的に展開しています。

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